日本の薬草について、ケシを紹介します

日本の薬草「ケシ」について

日本の薬草「ケシ」について

1. ケシとは?

ケシ(罌粟、Papaver somniferum)は、ケシ科に属する一年草で、その種子や樹液は古くから薬用として利用されてきました。特に、鎮痛作用のあるアルカロイド成分であるモルヒネやコデインを含むため、医療現場では鎮痛薬や鎮咳薬として用いられています。

2. 日本でのケシの利用と規制

日本では、モルヒネやアヘンの原料になるため、ケシの栽培や利用は厳しく規制されています。医薬品として使用される場合には、特別な許可が必要です。また、種子(いわゆる「ケシの実」)は、アルカロイド成分を含まないため、食品としての使用が認められています。例えば、パンや和菓子のトッピングに使われます。

3. 類似項目との違い

3.1 ヒナゲシ(ポピー)との違い

ヒナゲシ(Papaver rhoeas)は、同じケシ科ですが、モルヒネやコデインといったアルカロイドを含みません。主に観賞用として庭や花壇に植えられ、美しい赤い花を咲かせます。薬用効果はほとんどなく、誤って利用しないよう注意が必要です。

3.2 アツミゲシとの違い

アツミゲシ(Papaver setigerum)は、ケシに似ていますが、日本では違法植物とされています。アヘンの原料となるアルカロイドを含むため、誤って栽培すると法的問題になる可能性があります。形状としては、ケシよりも花や実が小さめです。

3.3 ハカマオニゲシとの違い

ハカマオニゲシ(Papaver orientale)は観賞用として人気ですが、こちらもアルカロイドを含まず、薬用効果はありません。花弁が大きく豪華で、ガーデニングに用いられることが多いです。

4. 注意事項

ケシの種子(ケシの実)は食品として安全ですが、栽培や使用に関しては法律に従う必要があります。薬用成分を含む部分については、必ず医療機関の指示に従いましょう。

5. まとめ

ケシは薬草としての効果が高い一方、規制が厳しい植物です。類似のケシ科植物も多いため、取り間違えのないよう注意が必要です。何かご不明点があれば、薬剤師にご相談ください。

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